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Wi-Fi 7のMLO(Multi-Link Operation)とは?

By TP-Link Editorial Group

オンラインに接続した便利な暮らしを体感していると、高速WiFiがいかに重要か認識することも多いことでしょう。事実、WiFiをアップグレードしてさらに高速処理が可能になると、あなたの生活も、仕事とプライベートの両方でアップグレードできます。

リリースに向けて準備が進んでいるWiFi 7は、WiFi 6をベースに320MHzの超広帯域幅・4096-QAM・Multi-RU・MLO(Multi-Link Operation)を新たに採用。帯域幅の無駄をなくしながら、より高速・安定・低遅延のWiFiを実現します。

その中でもMLOは、接続速度に大きな革命をもたらす技術として期待されています。

 

MLOとは?

WiFi 6やWiFi 5等の旧規格WiFiでは、デバイスは1つのWiFi帯域(2.4GHz or 5GHz)にしか接続できません。最新のWiFi 6Eでは6GHzも利用できるようになりましたが、それでもクライアントが使用できるWiFiバンドは1つだけです。

典型的な例として、AX3000のWiFi 6ルーター(最大速度: 2402Mbps/5GHz&574Mbps /2.4GHz)を例に見てみると、スマートフォンをWiFiに接続する際に、2402Mbpsの5GHzか、574Mbpsの2.4GHzのどちらかにしかアクセスできないことが分かります。これは、1つのバンドが未使用になってしまうことを意味し、遅い方のバンドを選択して速度が制限されてしまう場合もあります。

このジレンマを解決するのが、MLOです。デバイスは異なる周波数帯域とチャンネルでデータを同時に送受信できるようになります。

MLOによってWiFi 7は、スマートフォン等のSTA(ステーション)とルーター等のWiFi AP(アクセスポイント)間で複数リンクの確立をサポートします。2.4GHz・5GHz・6GHz帯域に同時に接続することでスループットや信頼性が向上し、遅延が減少。VR/AR・オンラインゲーム・リモートオフィス・クラウドコンピューティング等の新しいアプリケーションに最適です。

 

MLOを利用するには?

STAとAPは両方ともWiFi 7とMLOに対応している必要があります。ただし、一部のWiFi 7ルーターは 2.4GHz×1、5GHz×2のみに対応している場合があるため、MLOに関しては6GHzは必須ではありません。

 

MLOはどう機能する?

MLOは、MAC層の改良点です。 MLD(Multi-Link Device)マルチリンクアグリゲーションを使用して、より高いスループット・低遅延・高い信頼性を、MLDマルチリンクシームレスダイナミックスイッチングを使用して、ロードバランシングと低遅延を実現します。

1. 動作モード

WiFi 7 MLOには、主にSTRモードとNSTRモードの2つのモードがあります。

(1)STRモード(同時送受信)

STRモードは、同時トランシーバーモードまたは非同期モードを指します。2つ以上のリンクは完全に独立して機能し、相互に干渉しません。

(2)NSTRモード(非同時送受信)

NSTRモードは、非同時トランシーバーモードまたは同期モードを指します。受信操作と送信操作を同時に行うことはできず、一度に全てのリンクがデータを受信するか、送信するかのどちら一方だけを行うことができます。

(3)その他

STR/NSTRモードとは別に、他のMLOモードもあります。 メッシュやEasyMesh等、WiFi 7 MLOアプリケーションシナリオが異なるため、AP・STA間接続の両端には、複数の物理的なIC無線で構成される複数リンクがあります。また、ICを1つ搭載した従来型のモバイルデバイスで構成される複数リンクも存在します。

2. 技術的機能

MLOの主な技術的機能は、パケットレベルの機能とフローレベルの機能の2つの側面に分けることができます。パケットレベルのアグリゲーションは、遅延とピークパフォーマンスを改善し、フローレベルのルーティングの最適化は、遅延と全体のスループットを向上させます。

主な機能は次の通りです:

(1)パケットレベルのアグリゲーション

  • 同じTID(トラフィック識別子)のパケットを1つ以上の無線で送信できます
  • 低遅延とピークスループットの向上に役立ちます

(2)省電力のためのCross-Wake-Up Signaling

  • APは、STAがモニタリングしているリンク上のバッファリングユニットを示します
  • STAは、別のリンクを使用してリンクのウェイクアップを示すことができます
  • STAは、アイドルモードのリンクをモニタリングして他のリンクのBSS/TIM情報を受信できます

(3)高速リンクトランジション

  • アクティブなリンクを動的に切り替えて、負荷/共存条件に適応させることができます
  • 11beのシングル無線STAに有益です

(4)マルチプライマリチャンネルアクセス

  • レイテンシーの改善に必要です

(5)リンク間で共有される単一セッション

  • TIDごとの単一のBA(Block Acknowledgement)セッション、共有シーケンス番号スペース
  • ユニキャストパケットの単一認証と鍵導出(Key Derivation)
  • ブロードキャスト/グループキャストパケット用の個別グループキー

 

TP-Link WiFi 7の詳細はこちら>>

お問い合わせ:pr@tp-link.com(英語のみ)

 

本記事で提供される全情報は、予告なしに変更される場合があります。 TP-Linkは、TP-Link Corporation Limitedの登録商標です。全ての商号は各所有者の所有物です。

TP-Link Editorial Group

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